「一生懸命答えたのに、なぜか面接で落ちてしまう…」
実は、話し方や内容以前に、“言葉の選び方”そのものが印象を大きく左右することがあります。
特に、コミュ障の就活生に多いのが、自信のなさや言葉足らずからくる“NGワード”。
本人に悪気がなくても、「伝わらない」「不安に見える」という理由でマイナス評価につながってしまうことがあるのです。
- 面接で無意識にマイナス印象を与えてしまうNGワード
- NGワードの裏にある“面接官の本音”
- コミュ障でも安心できる、伝わる言い換えフレーズ集
- 「印象を変える伝え方」の実践ポイント
をまとめて紹介します。
コミュ障向けのNG言い換えテンプレを作っておくと良い理由
面接の受け答えにおいて、「何を言うか」よりも「どう言うか」の方が大切な場面は想像以上に多いです。
特にコミュ障タイプの就活生は、とっさに言葉を選ぶのが苦手だったり、答える前に考え込んでしまう癖がある人も多いはず。
私自身、面接中に焦って変な言い回しをしてしまい、「…あ、今のちょっとまずかったかも」と自己嫌悪に陥ることがよくありました。
でも、事前に“言い換えの型”を用意しておくと、答えるときに安心感が生まれます。
一度覚えてしまえば、どんな質問でも落ち着いて対応できるようになりました。
また、採用担当として面接をしていたときも、“ちょっともったいない言い方”をしてしまう学生に何人も出会いました。
そのたびに思っていたのは、「この人、話す力がないわけじゃない。ただ、“伝える練習”をしてないだけなんだよな」ということです。
採用担当がツッコミたくなるNGワード10選【コミュ障あるある】
元採用担当として何度も「惜しい!」と思った、コミュ障就活生がやりがちなNGフレーズを紹介していきます。
そして、それぞれの言葉がなぜ誤解されやすいのか、どう言い換えれば伝わるのかも解説していきます。
NG①:「いろいろな経験をしました」→ 抽象的すぎて伝わらない
このフレーズ、実は私自身も学生時代に何度も使ってしまっていました。
「とにかく頑張ってきたことを伝えたい」「幅広くやってきたつもり」と思って言っていました。
しかし、面接官の立場になってから気づいたのは、「で、何を?」としか思えないということ。
採用担当として面接をしていると、この言い方が出た時点で少し身構えてしまいます。
なぜなら、「話が広がらない予感」がするからです。
“いろいろ”という言葉は便利ですが、相手に具体的なイメージが何も届かないんです。
たとえば○○(アルバイト・サークル活動など)では、△△に挑戦したことで、××を学びました。
このように、一つでいいので“具体的な経験”を挙げてあげるだけで、「この人には語れる体験がある」という印象に変わります。
私がある学生を高評価したときのこと。
彼は「学生時代はいろんな活動をしてきました」と言いかけたのですが、すぐに言い直して、「その中でも特に、半年間リーダーを務めたゼミ活動が印象に残っています」と切り出しました。
その瞬間、「この人は、ちゃんと話の軸を持っている」と感じたのを覚えています。
抽象→具体に変えるだけで、面接官の興味の持ち方は一気に変わります。
NG②:「御社に貢献したいです」→ 抽象的すぎる+どの部分で?と突っ込まれる
「貢献したい」という気持ちは素晴らしいのですが、それだけでは何も伝わりません。
私自身も学生時代、このフレーズを多用していましたが、“熱意アピールのつもりが空回り”していたと今ならわかります。
採用担当の立場から見ると、「どんな場面で?」「どんなスキルで?」と聞き返したくなる表現です。
何より、「とりあえず言ってるだけ感」が出やすいため、内容の浅さを疑われやすいのが難点です。
御社の○○の取り組みに共感し、私の△△の経験がそこに活かせると感じたため志望しました。
このように、「どこに魅力を感じているのか」「自分の何が活かせると考えているのか」を具体的に伝えるのがいいですね。
そう伝えることで、単なる“貢献したい人”ではなく、“自分の役割を見出している人”という印象に変わります。
たとえば、次の画面を比較してみてください。
- ある学生が「貢献したいです」とだけ言って終わってしまった場面
- 「私は大学で障がい学生の支援サークルに所属しており、御社のユニバーサルデザインの製品開発に共感しています」と話してくれた場面
両者を比べてみると、説得力の差は歴然ですよね。
想いがあるなら、なおさら具体に。
その方が、自分の熱意が相手に正確に届きます。
NG③:「〜と思います」→ 自信がなさそうな印象に
「〜と思います」といった表現は一見、丁寧で控えめな言い回しに思えるかもしれません。
でも、面接の場では「自信がない」「責任を持っていない」という印象に繋がってしまうことがよくあります。
私も学生時代、面接で「〇〇だと思います」「△△だと感じています」を連発していました。
“断言するのが怖い”“間違ってたらどうしよう”という気持ちから、つい語尾をぼかしていたのです。
しかし、面接官の立場になって分かったのは、自信のない言い方は「中身の弱さ」より目立ってしまうということ。
「〜です」「〜と考えています」と言い切る
「私は○○に取り組んできました。その結果、△△が得意になりました」
ポイントは、“事実”と“自分の意見”を明確に区別して伝えること。
「私は〜だと思います」ではなく、「〜な経験をしてきたので、〜だと考えています」と、根拠を含めて言い切る方が信頼感につながります。
たとえば、「私はチームで協力するのが得意だと思います」と言った学生に、「なぜそう思うの?」と聞き返すと詰まってしまうことがよくありました。
逆に、「アルバイトで後輩の指導役を経験し、相手の立場で動くことを学びました」と語った学生は、“得意”という評価に対しての納得感があり、深く掘り下げる気になれたのを覚えています。
自信がなくても「言い切る勇気」は大切です。
それが面接では、あなたの話を“本気”として受け取ってもらう第一歩になります。
NG④:「コミュニケーション能力があります」→ 面接でそれが見えていないと逆効果
これは就活の“あるあるワード”ですが、使い方を間違えると痛手になりがちです。
特にコミュ障タイプの就活生が言ってしまうと、「本当にそうなの?」と真逆の印象を与えるリスクがあります。
実際、私自身も「聞き手に回るのが得意=コミュニケーション力がある」と思い込んでいて、面接で堂々と使ったことがありました。
でも、うまく話せない自分の姿とこの言葉が合っておらず、面接官の表情が曇った瞬間を今でも覚えています。
また、採用担当時代には、「コミュニケーション能力があります」と言いつつ、目を合わせなかったり、一言もリアクションがない学生も何人も見てきました。
「言葉と行動が一致しない人」は、それだけで信頼感を失います。
「相手の話をよく聞くのが得意です」
「伝わるように工夫することを大切にしています」
“コミュニケーション能力”という大きなくくりよりも、自分が得意な部分を切り取って伝える方が、具体的で納得感のあるアピールになります。
たとえば、ある学生はこう言いました。
「話すのは得意ではないのですが、誰かの意見をメモして整理するのは得意です」
その瞬間、「この人なりのコミュニケーションの形がある」と強く印象に残りました。
誰にでも“自分らしい伝え方”はあります。
そのままを素直に語る方が、よほど説得力があるのです。
NG⑤:「頑張りました」→ どこを?どれくらい?が伝わらない
「学生時代に何をしてきましたか?」という質問に対して、「〇〇を頑張りました」と答える学生は非常に多いです。
ですが、これは面接官が一番困る回答でもあります。
なぜなら、「頑張る」の中身が人によってまったく違うから。
あなたにとっての「頑張った」が、相手にとっては「当たり前」や「普通」に見える可能性があるのです。
私自身、学生の頃は「頑張ったことを言えば伝わる」と思っていました。
でも元面接官の立場で見てみると、「頑張りました」だけでは評価ができません。
“どんな工夫をしたのか”“どんな壁があったのか”がないと、熱意が空回りしてしまうのです。
〇〇という課題に対して、△△の工夫を続けたことで、××の成果につながりました
たとえば、上記のように言い換えるだけで、「課題→行動→結果」という流れが自然に伝わり、聞いていて納得できる自己PRになります。
ある学生は
「ゼミを頑張りました」
と言った後、言葉に詰まってしまいました。
一方で別の学生は、
「週1回のゼミ発表で、人前で話すのが苦手だった自分が、毎回スライドを工夫しながら改善していったことが印象に残っています」
と語りました。
この違いは明確です。行動と変化が描かれているかどうか。
「頑張った」という言葉を封印して、何をどう行動したかに置き換えてみましょう。
そのほうが、面接官にとっても“あなたの本気”が伝わりやすくなります。
NG⑥:「自分にはあまり自信がありませんが…」→ 正直だけどマイナス印象に
この言葉、気持ちはすごくよく分かります。
私自身、面接で何度もこのセリフを口にしそうになったことがあります。
正直さや謙虚さを伝えたい、という思いから出てくる言葉なんですよね。
ただ、採用担当の立場になるとわかるのが、この一言だけで「即・不安材料」になるということ。
「入社してもすぐに辞めるかもしれない」
「仕事を任せられなさそう」
そんなイメージを、無意識のうちに与えてしまうリスクがあります。
特にコミュ障タイプの就活生は、“できる自分を見せなきゃ”と無理をするよりも、“ありのままの弱さ”に言及しがち。
でもそのままだと、誠実さより「頼りなさ」が先に伝わってしまうんです。
「不安はありますが、それでも◯◯という理由で挑戦しています」
「完璧ではないからこそ、□□のように準備をしてきました」
たとえば、ある学生は
「自分に自信はないですが…」と前置きしたうえで無難な自己PRを続け、評価されませんでした。
一方で別の学生は、「人前で話すことには苦手意識がありますが、サークルで毎月の報告係を続けてきました」と伝えてくれました。
このとき面接官として感じたのは、“苦手でも逃げずに向き合っている”ことへの信頼感です。
自己否定は不要。
むしろ、「不安でも、こう工夫した」という具体例を添えることで、前向きな姿勢をしっかりアピールできます。
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NG⑦:「特にないです」→ 質問への無回答は“準備不足”に見える
これは面接で聞かれる「質問はありますか?」「興味を持った点はありますか?」といった問いに対して、つい口にしてしまいがちな言葉です。
でもこの一言、面接官からすると「この人、本当にうちに興味あるのかな?」と疑問に思うきっかけになってしまいます。
私も学生時代、企業研究が浅かった頃に「特にありません」と返してしまった経験があります。
そのあと流れが急に冷たくなったのを今でも覚えています。
面接官は“質問をする=主体的に関わろうとしている”サインとして見ているんです。
採用担当としても、質問がない学生よりも、たとえ小さなことでも「聞きたいことがある」学生の方が印象に残ります。
「今すぐ浮かびませんが、○○の取り組みにはとても関心があります」
「実は、御社の□□に興味があって、あとで詳しく調べようと思っていました」
たとえば、ある学生は「質問はない」と言いながら、その場で何も話さず終了。
一方で別の学生は、「御社の社員インタビューで△△さんのお話を読んで、現場の働き方に興味が湧きました」と話しました。
結果、後者の方が圧倒的に「興味を持っている」印象を残せたのです。
質問が浮かばないときでも、何かに関心を持っていることを“形にして伝える”意識が大切です。
「何もない」は答えにせず、「まだ言語化できていないだけ」と捉えて、前向きなひと言を用意しておきましょう。
NG⑧:「なんとなく興味があって…」→ 動機が曖昧だと“その程度か”と思われる
「なぜこの業界を志望したのですか?」「どうして当社を選んだのですか?」という質問に対して、「なんとなく…」と答えてしまうのは、コミュ障就活生あるあるの1つ。
自分でも理由を明確に言語化できないとき、つい使ってしまう言葉かもしれません。
ですがこれは、“動機が弱い人”というレッテルを貼られる最も典型的なパターンです。
面接官からすれば、「じゃあ、うちじゃなくてもいいんだよね?」という印象になってしまいます。
私も就活生のとき最初の頃はこの表現に頼って撃沈しました。
言葉の裏にある「深掘りの甘さ」は、面接官にはすぐバレます。
採用担当をしていたときも、「なんとなく興味があって…」と話す学生には、つい「それって、あなたの“感情”じゃなくて“準備不足”なのでは?」と感じてしまっていました。
「〇〇を知ったときに、□□という点に魅力を感じた」
「△△のような強みに惹かれ、自分も貢献したいと思った」
たとえば、「なんとなく人の役に立ちたいと思って…」だと曖昧ですよね。
これを「大学時代に□□という経験を通じて、人の役に立つ実感を得たことで、より深く関われる仕事を探すようになりました」と言い換えるだけで、言葉に“背景”が宿ります。
“なんとなく”は便利だけど、何も伝えない危険な言葉。
それなら、ちょっとでもいいので、「いつ・なぜ・どこで」の具体性を足してみましょう。
薄い志望動機でも、「本人なりに考えてきた感」があるだけで印象はまったく変わります。
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NG⑨:「緊張してうまく話せないかもしれませんが…」→ 最初に“言い訳”になってしまう
面接が始まってすぐ、緊張がピークの中で出てしまうこの一言。
私も学生時代に何度か口にしてしまい、「あ、言わなきゃよかった」と後悔した経験があります。
確かに、正直な気持ちを伝えたくなる場面です。
ですが、採用担当の視点から見ると、“最初に不安を強調されると、こちらも構えてしまう”というのが本音です。
本来、面接官は「緊張しているのは当然」と思っています。
だからこそ、あえてそこに触れず、“前向きな意志”を見せてくれるほうが印象に残ります。
実際、過去に「緊張して話せないかも」と言った学生よりも、「緊張していますが、しっかり伝えたいです」と言った学生のほうが、断然“意志を持っている人”として評価されました。
「緊張していますが、できるだけしっかりお話ししたいと思っています」
「少し緊張していますが、お時間をいただけてうれしいです」
たったこれだけでも、「不安」ではなく「感謝」や「前向きさ」に印象が変わります。
さらに、「伝えること」を目標にしているとわかれば、話し下手でも誠実さが伝わります。
言い訳ではなく、“努力する姿勢”を見せるのがカギ。
話せるかどうかより、「伝えようとしているか」を面接官は見ています。
NG⑩:「質問の意味がよく分からないんですけど…」→ 刺々しい印象になりやすい
これは、質問が難しかったり、聞き慣れない言い回しだったときに反射的に出てしまう言葉です。
けれど、「質問の意味が分からない」とストレートに返すと、言い方によっては“投げやり”“少しトゲのある印象”を与えてしまいます。
特にコミュ障タイプの就活生は、焦ったときに語調が強くなってしまう傾向があります。
本人に悪気がなくても、採用担当者側では「この人、コミュニケーションに柔軟性がないかも」と受け取る可能性があるんです。
私が採用担当をしていたときも、「え、意味が分かりません」という返しをされたときには一瞬場が凍りつきました。
でも別の学生は、丁寧に確認しようとする姿勢を見せてくれたことで、むしろ好印象になったんです。
「すみません、確認させていただきたいのですが、○○という理解で合っていますか?」
「失礼ですが、□□についてもう少し詳しく伺ってもよろしいでしょうか?」
こう言い換えることで、“相手の言葉を大切にしようとする姿勢”が伝わります。
それだけで「この人はちゃんと理解しようとしてる」と信頼されるんです。
「分からない」こと自体は悪くありません。
大事なのは、その伝え方。
面接は会話のキャッチボール。
相手のボールが分かりにくいなら、投げ返す前に「確認する」だけで印象がガラリと変わります。
まとめ:伝え下手でも、言葉の選び方で印象は変えられる
- 曖昧な言葉には、具体例や背景を添える
- 自信のなさは、意志の強さに言い換える
- 難しい表現より、“自分の言葉”で話す意識を持つ
コミュ障就活生が無意識のうちに口にしがちな言葉の数々。
実際には「誤解されやすい表現」だったり、「自分を弱く見せてしまうフレーズ」だったりします。
でも、裏を返せば、ほんの少し言い換えるだけで、“伝え方の印象”は大きく変えられるということでもあります。
元採用担当としても「言葉そのもの」よりも、その人なりの工夫や誠実さがにじんでいるかを見てきました。
だからこそ大切なのは、「上手に話すこと」ではなく、“伝えようとしていること”を言葉にする工夫です。
その工夫の積み重ねが、“選ばれる就活生”への第一歩になります。
NGワードを避ける意識がついたら、次は「練習」で安心感を身につけていくのもおすすめです。
