面接で「もう一度お願いします」と聞き返されるたびに、自信がなくなる。
就活中の私も、声の小ささと滑舌の悪さが原因で落ちたんじゃないかと悩んでいました。
でも、面接官として学生を見る立場になって気づいたのは、声の大きさや滑舌よりも、“伝えようとする工夫”が評価につながるということです。
話すのが苦手でも大丈夫。
この記事では、
- 声が小さい・滑舌が悪くても落ちない理由
- 話し下手でも伝わる“伝え方”の考え方
- 面接で印象を残す3つの話し方テクニック
- コミュ障に合った正しい面接練習のコツ
- 面接官の印象に残る人に共通する特徴
など、コミュ障就活生のために、声や滑舌に頼らず“伝える力”を補う方法を紹介します。
話し下手なコミュ障がまず意識したい“伝わる”発想
コミュ障就活生が落ちる理由は「声の小ささ」ではなく、「どう伝えようとしたか」が見えてこないことの方が原因としては大きいです。
つまり、どれだけ話をするのが苦手であっても、伝え方をなんとかうふうする必要があるということです。
会話力より「情報の届け方」を重視する考え方
採用担当として私が見ているのは、流暢さよりも「この人は相手に伝えようとしているかどうか」という“届ける努力”の有無なんです。
たとえばですが、
- 声が小さいなら、ペースを落として一語一語を丁寧に話す
- 話し下手なら、伝える情報量をしぼって簡潔にする
こうした工夫だけでも、印象は大きく変わります。
「聞き取りやすさ」は声量より“言葉選び”で変えられる
滑舌に自信がないなら、無理に長く話すよりも、短く・はっきり・簡単な言葉を選ぶことを意識してみてください。
たとえば、「学生時代に苦労したことは?」と聞かれて、「人間関係の構築が〜」といった抽象的な表現より、「バイトで人見知りを克服しようと努力しました」のほうが、ずっと聞きやすいですよね。
話し方の技術より、“伝える中身”の言葉選びを変えるだけで、声の小ささはカバーできます。
滑舌が悪くても大丈夫!コミュ障でもできる3つの話し方テク
話すのが苦手な人ほど、「全部しっかり話さなきゃ」と思い込んでしまいがちです。
でも実際には、“全部うまく話す”ことより、“伝わる部分をしっかり届ける”ことの方が大切です。
ここでは、私自身が実践してきた「話し下手でも伝わる」話し方のコツを3つ紹介します。
キーワードだけ強調すれば、全体が聞き取りやすくなる
声が小さい人にとって、「全部を大きく・はっきり話す」のはハードルが高いです。
そこで意識したいのが、キーワードにだけ少し力を入れるという方法です。
たとえば自己PRなら、
「私はコツコツと物事に取り組むのが得意です。」
というふうに、「伝えたい言葉」にだけしっかり意識を置くことで、全体の印象がぐっと良くなります。
ゆっくり喋ることで、言葉が整理されて伝わる
滑舌に不安があると、早口になってごまかそうとする人が多いですが、逆効果です。
ゆっくり話すことで、滑舌の甘さをカバーできる上に、言葉の内容が整理されて伝わりやすくなります。
早口だと「聞き返されるのが怖い」という負のループになりますが、ゆっくり話す人は「落ち着いていて誠実そう」という印象を与えられます。
無理に話を膨らませず、1〜2文で終わる潔さが武器になる
面接では「たくさん話さなきゃ」と思いがちですが、短くても中身が伝わる方が好印象です。
たとえば、質問に対して、
私は、チームで補佐役を務めることが多かったです。理由は、自分の役割を理解してサポートに回るのが得意だからです。
このくらいの1〜2文でも、面接官にはしっかり伝わります。
むしろ、滑舌や声に不安がある人こそ、シンプルに話すほうが伝わりやすくなるんです。
もし「声の震え」や「どもり」も気になる方は、こちらで“発声前の安定法”や“安心して話せるコツ”も紹介しています。

コミュ障向けの正しい面接練習法【練習のしすぎは逆効果?】
私が就活していた頃、声が小さい・滑舌が悪い自分をどうにかしようと、ひたすら発声練習や滑舌トレーニングを繰り返していました。
けれど正直、「滑舌が良くなったから評価された」経験は一度もありません。
そして面接官になった今、はっきり言えます。
練習の方向性を間違えると、努力が空回りしてしまう。
本当に効果的なのは、「言い方」や「発声」ではなく、“話す中身の整理と構成”を繰り返すことなんです。
滑舌トレーニングより「構成パターン」の確認を
もちろん、ある程度の発声練習は役に立ちます。
でも、面接で求められるのは「聞き取りやすさ」だけではなく、“伝えたいことがスッと頭に入ってくる構成”です。
たとえば、「結論 → 理由 → 具体例 → まとめ」という流れが理想です。
この流れを身につけるだけで、多少言葉が詰まっても伝わります。
私自身も、「話すのが苦手」だったころからこの型に助けられました。
内容の順番が整理されていると、それだけで“落ち着いた印象”を与えられます。
話の順番がうまく組み立てられない方は、“話の型”を覚えることが先決です。
こちらの記事で「話の型」を紹介しています。

不安な人は“言葉のメモ”を見える場所に忍ばせてもOK
就活中、私は小さな紙に「伝えたい3つの言葉」だけをメモしてポケットに入れていました。
- 強み:継続力
- ガクチカ:補佐役の工夫
- 志望動機:価値観が合う
これだけでも、本番中に「何を話すか」が飛んだときに、気持ちを立て直す支えになります。
採用側としても、「自分の不安に対して工夫している学生」は非常に印象に残ります。
滑舌や声の不安を“戦略”で補っている姿勢こそが、評価につながる要素なんです。
面接練習は「話せるようになるため」にやるのではなく、「伝わる順番」「落ち着くための自分なりの手段」を身につけるためのものとして取り組んでみてください。
コミュ障で声が小さくても印象に残る人の共通点
面接官として何百人もの学生と向き合ってきた今は、こう断言できます。
「声が小さいから落ちる人」はいない。でも、「伝えようとしない人」は印象に残らない。
では、声が小さくても印象に残る人には、どんな共通点があるのでしょうか?
短くても「言い切る力」は想像以上に強い
話し方に自信がなくても、「自分の考えを短く・はっきりと言い切る」ことができると、それだけで「この人は芯があるな」と感じてもらえます。
たとえば、「私は派手なことは苦手ですが、チームを支えることが得意です。」
この一文だけでも、しっかりと伝わる自己認識と強みがにじみ出ます。
元・話し下手の私が、最初に評価されたのもこうした“短くても芯のある言葉”でした。
内容がぶれずにまとまっているだけで、「信頼できそう」と思ってもらえることも多いのです。
アイコンタクトは“一瞬だけ”で大丈夫
「目を見て話すのが苦手」と感じている人、多いですよね。
私も学生時代は「面接中ずっと目を見なきゃいけない」と思い込んで、プレッシャーになっていました。
でも、実際にはアイコンタクトは“冒頭と締め”だけで十分です。
話し出すときに一瞬目を見て、話し終わったあとに軽く視線を合わせる。
それだけで、「きちんと向き合ってくれている人」という印象は伝わります。
採用担当としても、終始目を見続ける人よりも、自然なタイミングで視線を合わせてくれる人の方が誠実に映ることが多いんです。
まとめ:話し方に自信がなくても、伝え方しだいで評価は変えられる
就活中、「声が小さい」「滑舌が悪い」「話すのが苦手」というだけで、自分をダメだと決めつけていた時期がありました。
けれど面接官として学生と向き合う立場になってわかったのは、“話し方のうまさ”より、“どう伝えようとするか”の工夫の方が、はるかに評価されるということです。
たとえ聞き返されたとしても、
- キーワードだけをはっきり言う
- 短くシンプルに話す
- ゆっくり丁寧に言葉を届ける
そんな工夫ひとつで、面接の印象は大きく変わります。
さらに、構成を整えて話す準備や、緊張対策としてのメモの持ち方など、「話せるようになる」より「伝わる準備をする」ことが、コミュ障就活の一番の近道です。
もし、一歩ずつ面接に慣れていきたい方は、レベル別のトレーニング法も参考にしてみてください。
